ギャル・ギャル男文化全盛の頃
といってもただ僕が若かった頃
行こう行こうと誘われるものの、繰り広げられる予定調和的なお遊戯会を予想した僕が
行くことのなかったクラブ
トラパラ発祥の地
ギャル達の聖歌と称される「俄然シリーズ」('03)は地球上のギャル・ギャル男たちの傷ついた心を癒し、永遠のトラパラ・クラシックとして現在も語り継がれている。
トラパラ・テクパラの聖地。
新宿CODE
あれから3年・・・ついに行ってきました。新宿CODE しかも朝っぱらから。一時間前ナンパした子に連れられて。うちら俄然ギャルでもギャル男でもないけど。
以下徒然と。
AM7:00 黒服に出迎えられ店に入る。エレベーターで一緒だった男についていくとゲストですかと訪ねられる。「いいえ」と言うと「ついてきて下さい」といわれ、ゲストで入る。いきなりの歓迎ムードに戸惑う。
AM7:10 ロッカールームにていきなり鍵がかからないというアクシデント発生。黒服を呼ぶと、乱暴にキーをさす金具を引き抜く。金を返して貰いここはダメなので隣のロッカーにする。
店の中ほどまで進む。フロアは小学校のプールくらい。平面で、かなり広い。曲はもちろんトラパラ。踊っているのは・・・・たった二人!しかもギャルかギャル男を想像していたら、踊っているのは半ズボン(正確には半というか、四分の一ズボン。ふともも丸出し)のおじさん!!!腰にだらしなく吊り下げられたタオルがスポーツマンっぽい。やけにムチムチしている。振り付けらしいものを完璧にこなしている。ぐるっとフロアを囲うように座り込んだギャル・ギャル男に見せ付けるかのように完璧なダンスが展開されていく・・・ギャル達はエクスタシーが切れたのか、ただ寝てなくてだるいだけなのか、うつろにフロアを眺めている。僕もしばらくトラパラで踊る。しかし前日しみついたジャングルが体から抜けず、穴を掘るような動きが止まらない。ギャルに笑われている気がする。おじさんを見る。笑える。笑わせれるのは特権である、と元気を貰う。
しばらくしてもフロアは、おじさん、僕、彼女、ニッカポッカのレイバー風男達、の5人だけである。50人くらいいるのに不思議な光景だ。もしかして俺は今聖地をファックしているのではないか、とレイプ願望丸出しで踊りはさらに激しくなる。彼女はピョンピョン飛び跳ね、レイバー風もピカピカ光る鞭を振り回していていい感じだ。
AM8:00 人がぞくぞくと集まってくる。100人は越えただろうか。9割がギャル・ギャル男だ。
このころになるとギャル達にお立ち台を乗っ取られはじめる。ギャルの逆襲。それに触発されるよにギャル男達五人も横一列に並び、完璧な振り付けを見せ付け始めた。自由を愛する僕らは完璧に統制のとれたギャル男五人衆に対峙するが、次第に一人、二人と抜けていく。
AM8:30 ついに彼女がダウンする。前日からミュールで踊り続けていたのだから仕方がない。「スニーカーならば・・・昨日コンパさえなければ・・・」と言葉を残しフロアを後にする。
AM8:40 寂しくなったので僕もフロアを後にする。現在残っているのはおじさんとギャル・ギャル男20人。席につくとボンジョビのリビィンオンプレイヤーがかかったので乱暴に手を突き上げ、大声で歌い上げる。ギャル男ににらまれる。
AM9:00 サブフロアがサイケっぽく始まったので移動してしばらく楽しむ。楽しんでいたらさっきのおじさんが乱入してくる。ギャル男にからかわれている。複雑な気分になる。
AM9:30 裸足で踊っていた彼女の足がビールでビシャビシャになってしまう。潮時かということでそろそろ帰ることに。帰る途中にメインフロアでびっくりする。さきほどの100人が統制のとれた動きで体を動かしている。ピクミンを思い出す。追いやられたピクミンは店を後にした。
全盛期のCODEはこんなもんじゃなかっただろう。聞いたところでは、石原都知事の提言で施行された風営法によって新宿にあった半分のクラブは廃業に追い込まれたそうだ。
CODEも退廃的な雰囲気だった。ただ、ギャルの伝統として残っているだけで、滅び行く伝統芸能のようだった。僕らは白血病患者の中に侵入したウイルスだ。ハッケッキュウと闘い、破れ、店を後にした。全盛期の彼なら僕らをフロアに入れることさえしなかっただろう。
朝から社会勉強した日曜日でした。